インタビュー
情報科学研究科 NET JOURNAL 41
電子ホログラフィによる3D表示のヘッドマウントディスプレイ(HMD)装置の開発を行っています。これには新たな計算アルゴリズムと新設計の光学系が用いられ、小型、軽量な実用的装置を実現しました。
電子ホログラフィによる表示装置では人間の視覚生理に適合したストレスの無い3D映像を表示することができます。本研究で開発した電子ホログラフィを用いたヘッドマウントディスプレイ(HMD)では従来必要であった複雑な光学系を、計算機による補正を用いて単純な構成の光学系に置き換えました。これによって、電子ホログラフィとしては世界で最小、最軽量、かつ低価格を実現しています。また、下の図に示すようにホログラムの像を奥行きに合わせて表示することができ,従来のHMDの様に利用者に奥行き焦点ズレによるストレスを与えることはありません。
この電子ホログラフィ装置は、CADなど機械設計の立体表示、分子設計における立体モデルの表示などの3D映像の表示システムの応用だけでなく、遠隔医療システム、HMDによるARシステムや立体顕微鏡、立体内視鏡や、更により進んだ内視鏡下手術ロボットなどの様々な分野の装置への組み込みが期待されます。